「税金が高い!」とか、「減税せよ!」という声は毎日のように耳にします。ところが、本当のところ、「税金」といってもあまりよくわかっていなかったりします。会社員が言う「税金」というのはほとんどが「所得税」のことでしょう。しかも、会社勤めの方が関係する所得税は10種類ある税目のうち、「給与所得」ですね。通常は、毎月の給与支払い時に会社がその月の分を天引き、つまり、「源泉徴収」しています。
会社は全社員から天引きした「源泉徴収」を毎月、税務署に納税しています。中小企業の場合は、特例があり、税務署への納税を半年ごとにすることがほとんどです。年に2回、1月と7月に6か月分を納税しています。そして、12月になると、その年1年間の所得税の「微調整」を行います。これが「年末調整」ということです。たとえば、年の途中で家族構成が変わったり、生命保険や医療費などの(所得)控除の調整や、過不足などをこの時調整します。この結果が、「源泉徴収票」として社員に配布されます。結果的に、2月~3月の「確定申告」では会社勤めの方は自分では何もしなくて大丈夫ということになります。
しかし、会社に内緒の副業による所得や、金融商品の売買や不動産関連の売買、物品の売買による所得などがあった場合は、各自が確定申告を行うことになります。この時、会社関連の所得の証明として、「源泉徴収票」が必要になってきます。
で、弊社のような超零細企業でも、「経理」や「決算」、「確定申告」という作業は発生します。もちろん、経理を専門に担当する「経理課」なんて持てるはずありませんし記帳や税務を担当する従業員もいません。実は、日常的な記帳(帳簿にお金の出入りを記載すること)は専用の経理ソフトを活用すればそれほど難しくはありません。はじめは、いわゆる「勘定科目」を覚える必要がありますが。

問題は、決算と同時に発生する「確定申告」です(場合によっては「中間申告」というのもあります)。これは、一年間の収支を確認し、その所得(=収入-経費)を算出、それに応じた税金を納付するという作業です。これは素人には一筋縄ではいきません。最近はE-TAX(地方税はEL-TAX)という、ネットで作業が完結するのですが、個人の所得税確定申告はかなり簡易化されており、普通はネットに慣れた方なら問題なく済ませられます。
しかし、「法人」はそうはいきません。ご自分でやったことがあるかたはお分かりだと思いますが、「どうやったら、こんなにわかりにくくできるんだ!」的な作業なんです。億単位の入出金がある大企業はともかく、万年赤字の中小零細企業でもこの作業は大いなる負担となります。
ワタシ自身は、18年前の独立以来、すべて自分で、「決算」、「申告」を行ってきました。これについては、一冊の本が書けるくらいの情報量があるのですが、この辺で辞めておきます。ワタシが思うに、すべては、「紙(帳票)」ベースの仕様になってることが困難の原因です。地方税(都道府県民税、市町村民税)の申告も同様なんです。お国のいう、「デジタル化」というのは、つまりは、「ワープロ化」なんです。
本質的には、「税金は所得に税率を掛け算する」、という極めて単純なことなので、気の利いたプログラムであっという間に片付くはずなんですが・・・。AIなんていう高度なもの持ち出さなくても。。。
